『 THE MOOD 』

#下着再考

ランジェリークを愛用してくれている4人。
彼女たちにとっての「ランジェリーとは?」をお聞きする連載。
Vol.1は、「DEPT TOKYO」オーナー、アクティビストのeriさん。



Edit & Writing:柿本真希 @makikakimoto
Photo:八木咲 @yagisaki_

VOL.26「ランジェリーは楽しみであり、自分自身と乖離のないものを身につけたい」

eri
アパレル会社経営・プロダクトのデザイン・古着のバイイング/販売を通して、繊維産業、地球の環境課題、気候危機に対してどうアプローチできるかを模索中。
またアクティビストとしてあらゆる社会問題に関心を寄せ、またそれをどう市民が課題解決のためにアクションできるのかを考えシェアし、さまざまなプロジェクトを立ち上げ運営に携わっている。
@e_r_i_e_r_i

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柿本
「ランジェリークとはどれくらいのお付き合いですか?」

eri
「13年くらいになります。元々「クロエランジェリー」を買っていたのですが、ブランドがなくなってしまって。その時に同じメンバーで立ち上げたという「ランジェリーク・アンジェリーク」を紹介してもらい、その後「ランジェリーク」になってからも愛用し、ずっと愛用しています。このスリップキャミソールはもう何年着ているか分からないくらい。ランジェリークはほぼほぼ処分したことがないんです。家の中ではこれ1枚で過ごしたり、スリップキャミソールは意外と1枚持っているととても便利です」

柿本
「下着を選ぶ時のポイントを教えてください」

eri
「実は下着の好みってずっと変わっていない気がします。ポイントは、色っぽさ、着心地、カラーリング、レース。繊細さや上質さも重要ですね。繊細さと着心地の良さどちらも備えているブランドはなかなか無く、ランジェリークはそこを押さえてくれている嬉しい存在」

柿本
「ブラジャーのワイヤーありなしのこだわりはありますか?」

eri
「ワイヤー入りブラをどんどん選ばなくなってきました。今日着ていたギンガムチェックブラはワイヤー入りで、とても久しぶり。オレンジのレースの方はワイヤー無しでした。ワイヤーがあるギンガムはワイヤー感を感じず、ワイヤーなしのレースは形がとても綺麗で、ワイヤーありなしとか関係ないのかもしれないと思えたほど。そもそも、ブラジャーというものの役割を考え始めていて、「なぜ乳首を隠さなきゃいけないんだろう?」「苦しいものを無理してつける理由は?」と考えた時、やっぱり自分が楽に過ごせるものを選びたいよねと思っています。いわゆるセクシーさを表現したいと思う時も、持ち上げたり豊かに見せるという表現は生理的に違うと感じていて、下着選びは本当に自分自身の為なんだなと。女らしさの押し付けみたいなものから派生した下着は受け付けられないなと思っています」

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柿本
「服を選ぶことと下着選びは全く変わらない感覚ですか?」

eri
「直接肌につけるものなのでアクセサリーに近い気もするけれど、ほぼ同じですね。下着は自分の楽しみでありながら、仮に脱いだ時にも自分自身と乖離していないものを着ていたいなと思います。選ぶ感覚は同じですが、下着は服では絶対に選ばないタイプを選ぶことも多々。洋服はペールカラーを選びませんが、下着ではペールカラーに惹かれがち。父親がアメリカ古着メインなので、自分も自然とアメリカ古着を着てきて、それがルーツに。その後ヨーロッパ古着に出会った時、強烈に惹かれた時期があったんです。ルーツと違うものがいい!と強く感じる時期ってありますよね。フランスのアンティークレースなどを買い漁ったりしていて、それは今でもたくさん大切に持っているのですが、下着は今でもそういった雰囲気の淡いペールカラーのレースに惹かれます」

柿本
「今回はギンガムチェックのシリーズに惹かれてましたね」

eri
「ギンガムチェックは昔から好きなのですが、最近さらに好きです。名古屋で出会ったこの古着のギンガムワンピースはサイズが小さいのですがお直しして着る予定。このワンピースにギンガムの下着を合わせて着るのも可愛いだろうなぁと想像しています。シンプルな服や白Tシャツにチラッと肩紐だけ見せて着ても絶対に可愛いだろうし」

柿本
「愛する下着、どうケアしていますか?」

eri
「このホタテパウダーとミニ洗濯板で洗濯しています。汚れを落とす時、この洗濯板のサイズ感がとても便利なんです。ホタテパウダーは、お風呂掃除、トイレ掃除、テーブルを拭く、洗濯、全てこれ。繊細なレースの下着もホタテパウダーで、手洗いかネットに入れて洗っています。下着ケースにはサンタマリアノッベラのサシェを。ほのかに香る感じが下着に似合うと思います」

柿本
「この連載はずっと #下着再考 がテーマなのですが、これから下着を買う人たちに、何かアドバイスはありますか?」

eri
「まずはランジェリークを買ってください!(笑)服にはどうしてもトレンドがありますが、下着は自分が気に入っていればずっと着られる存在。私のランジェリークも10年以上選手がたくさんあります。処分するタイミングが見当たらなくてずっと現役。だからコストパフォーマンスで言ったら、下着はとてもいいと思うんです。少し高いと感じても、きちんと選べばずっと長く着ることができるので。そして選ぶときは、人の目ではなく、自分自身が心地よく、気分が上がるものを選ぶことが大切だと思っています」

柿本真希 | Maki Kakimoto
エディター・ライター・ディレクター
編集、ライター。衣食住子と幅広く編集・原稿・連載・インタビューを担当。
2年間のアシスタント期を経て2001年独立。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。
2014年秋に帰国後、編集・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活動中。