『 THE MOOD 』

#下着再考

VOL.23「思い込みから離れてみる」

Direction / Writing / Photo
@makikakimoto

中学生くらいからずっと毎日付き合ってきているはずのランジェリー。
繊細、レース、華奢、が好きだという好みは自分で把握していたものの、
実はランジェリーとしっかり向き合ってはこなかったのかもしれないと
この連載を1年続けながら実感してる。

私はこういうものが似合う、あの人には似合うけど私には...、人は様々な思い込みを
持ちながら生きてる。もちろん私も。
このSWEET SWEETシリーズは、今までの私ならその思い込みによって目に
入らなかったかもしれない。華奢なレース地ではなく、コットン素材地だから。

SWEET SWEET
LEFT: LIUA835 NON PATTED BRA ¥13200(tax in)NAVY BLUE
RIGHT : LIUH135 STANDARD ¥9900(tax in)BROWN
LIUH535 TANGA ¥9350(tax in)NAVY BLUE
LIUE135 FLARE PANTS ¥14300(tax in)PORCELAIN

連載を続けながらランジェリーについて考え、見て触って、様々な人の意見や
趣味嗜好を聞いて、そうして1年が過ぎて、思い込みをまず捨ててみようと思った。
いや、捨てるのは難しいから、離れることを意識してみるくらい。
それでこのシリーズに挑戦してみたら、クラシカルだけれど洗練されていて、
オーガニック天竺だから肌触りも気持ちいい。
レースやタックが施され、想像よりもカジュアル感は少ない。
思い込みによる想像と、また違う。
今までなら手に取らないかもしれないものを、実際に着てみたらとてもいいと思った。
ただそれだけの体感で、新しい扉が開いたような気分に。
色々とこなれてくる40代に新しい扉なんて、とても嬉しい。
もちろん何でもいいわけではなく、芯となる好みは持ち続け、そこに「意外とこれいいじゃない」という、
しなやかさも合わせて持っているのがベストだなと思う。
そんなことを考えていた時、好きだと感じる先輩たちは皆、たしかに自由でしなやか女性じゃないか!と思った。
「歳を重ねて、今までなら手に取らなかったようなランジェリーを試してみると、
脱皮のようないい刺激をもたらしてくれたりもしますよ」と、もし誰かに相談されたらアドバイスしてみよう。

柿本真希 | Maki Kakimoto
エディター・ライター・ディレクター
編集、ライター。衣食住子と幅広く編集・原稿・連載・インタビューを担当。
2年間のアシスタント期を経て2001年独立。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。
2014年秋に帰国後、編集・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活動中。