『 THE MOOD 』

#下着再考

最も肌に近い場所に、毎日必ず身につける存在である下着。
その日に何を身につけるか、それ次第で気持ちはぐっと変化するもの。
誰にも知られず、こっそりと自分ひとりで。
世の中の幻みたいな定説ではなく、他人の目でもなく、
自分が何を心地よいのか、どんなものに心がときめくのか、
もう1度自問してみると、その日にどんな下着を身につけたいのか分かるはず。
ジュエリーのように気持ちが上がり、お守りのように気持ちが強く安らかになる。
下着がそんな存在でありますように。

Direction / Edit / Text : Maki Kakimoto

VOL.12

THE MOOD VOL.12

急に寒くなり、朝起きてお弁当を作る前にまず子どもたちの為にストーブをつけ ることが日課となった。秋を楽しむことなく冬に。
春夏がとても好きで、秋は普通、冬はとても苦手。
けれど、それと同じくらい苦手なのが厚着。
分厚い素材より薄い素材が好きで、できる限りレイヤードもしたくない。
コートなんて羽織ったら、もう中に何を着ても一緒なんじゃなんて思ってしまう。
そこで、できる限り薄着(風)を続けていくには、インナーが重要。 誰もが持っているであろうヒー○○ックはもちろん、アウトドアブランドの雪山用インナーも持っている。けれど、それらがニットの袖やVネックからちらりと顔出した時、げんなりするあの瞬間。素敵なワンピースを脱いだ時に、あのインナーだけの姿になり夢が覚めたような気持ちにもなったり。
暖かさだけではなく、それ単体が嫌じゃない肌着を選ぶべきなんだ、気分が弱る苦手な冬こそ。 そんな風に、何かを買う時に何かを諦めることを、なるべく減らしたいと思ったのは40代になってからかもしれない。
買い物だけでなく、仕事や友人、食事など何においても、まぁこれでいいか...という気持ちはなるべく持たないよう意識してみている。
そうすることは、選択と自問自答の連続でとても体力がいる。けれど、選択する力の筋トレだと思ってうまく楽しめばいいと思うんです。
例えば、ポテトチップスのり塩は絶対に湖池屋派。妥協はしません。
そんな些細でどうでもいいー!!ような判断の積み重ね。日々筋トレ。

柿本真希 | Maki Kakimoto
エディター・ライター・ディレクター
編集、ライター。衣食住子と幅広く編集・原稿・連載・インタビューを担当。
2年間のアシスタント期を経て2001年独立。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。
2014年秋に帰国後、編集・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活動中。