『 THE MOOD 』

#下着再考

“ランジェリー”を見ている時、私はこれを着たいなと思うとともに、これをあの子が纏った ら素敵だろうなぁなども想像する。 「私はこれが好きだけど、あの子の色白で少しムチッとした身体の方がさらに似合うに違い ない」「あの子の少年のような身体にはこれが映えるだろうな」と果てしなく広がる想像 (妄想)を。そういう時、1番よく思い出すのがeri。 ものすごくいい(好みな)身体である。というシンプルな理由がもちろんあるけれど(笑)、 彼女は芯が強くて揺らいでいて、大人で少女、輪郭がハッキリしていて朧げで、色っぽくて 少年のよう。相反する要素が共存していて、私はそういう人にとても弱い。そして、要素が 偏っていない分、何だって似合う。溺愛するランジェリークをeriに着てもらいたい。そう お願いした時、私いくつか持ってて好きだからいいよ〜と快諾してくれた。誰よりも嘘がな い人だと思っているeriに、今回好きなアイテムを選び写真を撮ってもらいました。( 柿本 真希 )

「あの人が選ぶ下着。」VOL.10

eri
DEPT COMPANY 代表
1983年NY生まれ、東京育ち。アクティビスト
2004年に自身のブランド「mother」を立ち上げ、2015年には父親が設立したヴィンテージショップ「DEPT」を再スタート。
下北沢リロードに移転した「明天好好」のプロデュース、
「気候危機/パワーシフト」にも精力的に取り組むなど、多岐にわたって活動。

なんてかわいいんだろう!!
もう手に取った段階で息が漏れた。
羽毛とか薄い氷の板とか波打ち際の泡とか、そんなものを連想する
今にも手の中から消えてしまいそうなレースの重なり。
肌の上にのせると、その美しさはさらに際立つ。
(レースが透けて、光が当たって、からだの上に影ができる)
私は馴染みのあるコットンの堅実そうな下着も信頼してる。 (人間にたとえて想像しても、気さくで、頼り甲斐があって仲良くなれそう。) でも、レーシーなランジェリーって 身につけると、そうそうこれこれ、私にはこれが必要なのよ!となる。
ランジェリークのランジェリーたちは
私の足りない部分を補ってくれるように感じられるから好き。
ガラスのコップになみなみ水を注いで表面張力で水面がまあるくなるような
満ち足りた気持ちにしてくれる...
(盛られすぎて気恥ずかしくさせることもないし)
着る人のことを考えられた着心地と
(つくっている人たちの気概を感じる)
あれ、なんか私のからだ可愛いかも、と思わせてくれる
カラーリング、カーブ、レースの模様...
ランジェリークを着て、鏡に映った映った自分は
いつもより好きになれる。

柿本真希 | Maki Kakimoto
エディター・ライター・ディレクター
編集、ライター。衣食住子と幅広く編集・原稿・連載・インタビューを担当。
2年間のアシスタント期を経て2001年独立。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。
2014年秋に帰国後、編集・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活動中。